(余談) 今更ながらにフラガール

公開から1年程度しか経過していないというのに、昨晩フジテレビ系で映画「フラガール」を放映していたので、この期に及んで私ははじめて鑑賞させてもらった。今更ながらと思いながらも少々メモ。
いやー、私はダメだったな、これは(苦笑)。最近の邦画成功の方程式とでも言うべきお涙頂戴式の感動の押し売りが鼻に付き過ぎまっせ。浪花節的ストーリーも易々と先が読めるほど平板で、ある意味予定調和が満載。悪い作品ではないがはっきり言って圧倒的な秀作とまでは言えず、脚本と演出はどうかすると駄作一歩手前の危うさを秘める。個人的には昨年の作品賞とか脚本賞などは「ゆれる」にもっとスポットライトを当ててもらいたかったのだがあきませんでした(「ゆれる」は脚本が素晴らしい)。一方で松雪さんやトヨエツ(この人が出演しているとは知らなんだ)、蒼井優を始めとして役者陣の演技は高評価に値すると感じたので、蒼井優が賞を総なめして彼女の出世作となったこと自体は腑に落ちる。
お涙頂戴で感動したがる観客がいることは理解するし、そのような作品の存在そのものは否定するつもりはないが、そればっかりではどうよ、という苛立ちが募る今日この頃である。「フラガール」がそのような邦画界の感動押し売り横並び路線に拍車を掛けてしまったとしたら随分と罪なことしてくれたなぁと恨み言の一つでも言いたくなってしまう。沢尻エリカが体を張って宣伝した(苦笑)「クローズド・ノート」もご多分に漏れず泣かせる映画なんやろ。いい加減飽きないのかねぇ...。