(余談) 肉筆マガジン買ってみた

肉筆マガジン

本年サイキック青年団において話題になったネタの一つに、下層底辺エロ雑誌(苦笑)の代表格とも言える「肉筆マガジン」というのがあった。9月の東京公演(サイキック・ミーティング)でも20年前の同誌伝言板コーナーのサンプルが竹内氏によって紹介されたことは記憶に新しい。
手にとって見るまでもなく低級であることは分かっているとはいえ、大手書店や近所のコンビニですら遭遇したことのない(県によっては有害図書指定を食らっている)未知なるエロ雑誌の存在に個人的な興味は尽きず、是非ともバックナンバーを入手してそのショボさ加減を吟味してみたいとの思いを募らせること約半年、年末になってようやくamazonで取り寄せた次第です。
少なくとも今この記事を読んでおられる方々の中で、このような極めてアナクロなエロ雑誌をわざわざ購読している方など皆無と想定されるので、まぁせっかくの機会だし、また2006年を締め括るついでに、ベールに包まれた(?)「肉筆マガジン」の中身をご紹介差し上げようと思う。
蛇足だが、来週は休暇中につき番組放送メモは更新パスします。サイキッカーの皆様、以下を読んだら「肉筆マガジン」のことは忘れて(笑)、よいお年をお迎えください。

私が買ったブツ

本当は最新号を買ってみようかと考えていたのだが、どういうわけかamazonでは2006年11月号を最後に取り扱いが中止されている様子だった。仕方がないので、中古品(新品オチ)の価格が一番安かった2006年8月号をサンプルとして入手した。いや、まぁどれでもよかったわけです(苦笑)。
他のネット書店(セブン&ワイ等)でも取り扱い停止となっているケースがあったので、これはひょっとしたら休刊かもしれん(2004年に一度休刊しており、2005年に再度復刊という過去があるみたいです)。ただし、私個人は今後購読することなどありえないしこれ以上の興味もないので、わざわざ版元の雄出版に電話で確認取ってない。

テーマと構成

この雑誌の統一テーマは、熟女交際あるいは不倫に絞られている。建前上は低予算の読者投稿雑誌。ここ2、3年は空前の熟女ブームらしいので、そこに焦点を当てて再起を図ったというようなことがあったのかもしれない。読者層は、ファイル交換を駆使して無料で無修正動画を落とし放題など想像もつかぬ、インターネットとは縁遠いオッチャン連中というニッチ(笑)、のはず。
内容は概ね以下のようなパーツから構成される:

  • グラビア写真(詳細後述)
  • 体験談記事(詳細後述)
  • 風俗ルポ:今号はウラ風俗潜入記「京浜地区のデリヘル散策」。レポーターの地元川崎周辺でデリヘル転じて結局ホテトルのサービスを受けたというルポ。相手はタイ人もしくは中国人によるサービスらしいが、外国人にとって日本独特の(本番忌避行為としての)ヘルスはテクが面倒臭いだけでかえってまどろっこしいというプラクティカルな理由で本番に及ぶ例が少なくないというような話も。
  • 連載漫画:肉筆艶色劇画(笑)「一夜の媚婦」と「日陰の女」の2本。不倫もの。昔からこの種の漫画にはありがちだが、女性は過剰なまでに肉感的に描写され(ちょっとデブ専入ってる)、なるべく抜き易いように描かれている(苦笑)。
  • 読み捨て小説:今号は新鋭女流作家(ホントかよ)の五月女千鶴著「汚れパンティ」。「男運が悪くて婚期を逃した熟女不倫相手とのひとときを過ごす。男が彼女の汚れた女唇やパンティを欲しがることを不審に思いだすが...」。
  • お便り伝言板(詳細後述)

ある程度期待していたグラビアだったが

カラー・グラビアは、以下のような構成となっていた:

  • 巻頭は、”Sexual Woman Contact”と銘打って「素人」人妻の痴態3ページ。
  • 巻頭第二幕は「和服のエロス写真室」。
  • 巻頭第三幕は「人妻オナニー専科 - 私のしているのを見て下さい」。一人1ページ5人分。
  • 中ほどに、表紙モデルの痴態「セレブの撮り下ろしフォト - 激しい肉欲に目覚めたい」。夢咲こよいさん。実はAV女優(苦笑)。いかにもな名前でバレバレやん(笑)。
  • 中ほど続いて「悪徳の華不倫妻 – 濡れて乱れて悶え泣き」。熟女4人の痴態。一人当たり見開き2ページずつ。目線ボカシあり。
  • 巻末に「素人熟女のアルバム館」。熟女5人の痴態。一人当たり1ページずつ。目線ボカシあり。

指摘するのは野暮かもしれんが、「素人」というのは恐らく演出であって、ほとんどAV女優さんだと思う。少なくとも、目線ボカシのないモデル(巻頭および表紙モデル)はそうだろう。表紙モデルと和服モデルは明らかにAV女優(名前でググれば判明)。目線ボカシ入りの方々も単なる演出の可能性はある。素人にしては生活臭がないというか、体型が良過ぎるなぁと思ったから。
肝心の痴態は、どうってことないです(苦笑)。バイブ挿入オナニーが関の山。カラミが皆無でヌード写真という風情に近い。同じようなポーズの連続。要は読み物雑誌という位置付けゆえに、写真がメインではなく、まったく本腰が入っていない。予算制約がきついために、贅沢な写真は盛り込めず、「投稿」記事でお茶を濁すしかないのが実情なのだろう。この辺りの現状エロ雑誌の苦境ぶりについては「エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること」が参考になる。

メインディッシュの体験談

本誌は一応読者投稿記事が売りとなっているらしいが、読者投稿規程(伝言板除く)も掲載されておらず、実態は恐らく大半が外注ライターに書かせている妄想記事というか「小説」と思われる。まぁこれも言うだけ野暮か(苦笑)。
内容は表紙写真からも粗方確認可能とは思うが、以下のようなもんです:

  • 不倫調査報告 – 怪しい妻の行動のウラ側
  • 禁断の報告書 – 近親アナルSEX 肛門蕾でご奉仕抜き
  • 熟れ過ぎ奥さん対談 – 萌え系返信でマンネリ解消計画
  • 奥さん性癖白書 – 坊やのウブ肉茎イタズラ喰いする
  • 現代熟女の実態レポート – パート奥さんのどさくさデリヘル三昧
  • 仰天人妻不倫報告 – 貪欲妻の突発的膣掃除H
  • 問題ワイド – 寂しすぎる未亡人のフシダラおマタ
  • ぶっ飛び熟女のグルメ・メモ – お身内不倫No.1 妹の亭主を略奪姦

さすがに毎月こんな記事を食い入るように読み込んだとしたら、例えばその辺歩いている奥さん連中がみんな欲求不満の塊で、誘えば100発100中喜んで乗って来ると思えるほどに洗脳されるでしょうな(苦笑)。そういう意味では、この種のエロ読み物雑誌というのは、それで「抜く」という性欲解消の効用と同時に(いやむしろ)、性欲喚起の役割をも担っているのだなぁと。いわばオジサン世代のための代用バイアグラですわ。

摩訶不思議な伝言板

竹内氏がネタで取り上げた交際相手(プレイ相手含む)募集の伝言板コーナーは今でも継続している。時代の変化をうかがわせるものとしては、編集部が匿名仲介可能にもかかわらず、携帯電話番号やメールアドレス(それもhotmailとかgmailなどのフリーメールじゃなく携帯メアド)を晒している人が多いこと。50歳代などの年配の方の中には相変わらず住所を晒している人もいる。この無防備さにはあきれるというか、彼らの下流ぶり(笑)を証明しているようで失笑を禁じえず。
今号は43名の悲痛な叫びが(笑)。ほとんどが30歳以上のオッサン連中。だが2名の女性を発見する:

  • 長身のせいか男性との出会いがなくて寂しい毎日です。セフレでもいいですが、Mっ気が強いので性処理奴隷として扱って下さい。何時間でも奉仕します。(大阪市/26歳)
  • バツイチ女性です。エッチと出会いが好きな皆さん、メール下さい。(岐阜県/34歳)

まぁ成りすましの可能性もあるけどな。前者の長身女性っちゅうのはニューハーフかもしれんし(苦笑)。だって竹内氏も指摘していたように、「肉筆マガジン」を購読している女性などそもそも存在していない(と思ったほうがよい)筈であるから。もしそうでないならば、もう少し女性の投稿があってもおかしくないだろう。
最後に野郎共の心の叫びを紹介しておきます。笑えるものをいくつか(カッコ内筆者ツッコミ):

  • 私は59歳独身です。美しい貴方からデート+小便くれる人、車で来られる人、写真と手紙下さい。(オマエ図々しいよ)
  • 45歳ですが近県でスポンサーになって頂けるような女性を募集しています。(その歳でヒモ願望公言ですか。アンタがスポンサーにならんといかんはずやのに...)
  • オマンコが大好きで、アソコが多汁の方、強烈な熟女、40から50の方よりメールでお願いします。(「強烈な熟女」ってどんなんや(笑))
  • 出産した女性の方、母乳妻の女性、どなたか... (49歳のオッサン。赤ちゃんプレイ希望か)
  • 滅茶苦茶にしてあげます。レイザーラモンより腰振り凄いです。(こんなこと言う奴に限って大したことない(苦笑))
  • 僕のは黒人並みに立派なのでフェラしても美味しいです。上下の口に入らないくらいで... (自分で大きいと言う奴は信用できません)
  • 容姿関係ないです。ライフサポートしてください。(42歳。介護モード入ってるようで怖い)
  • 妊娠覚悟の中出しに、愛を感じる女性、... (勘違いオヤジ。女性ドン引き必至。そんな人おらんよ、キミ)
  • 貴女の方で休憩代を負担していただける方、... (35歳。こんなこと書いたら絶対に女性が寄り付かないことくらい分かるやろ)
  • 妻を2年前に病気で亡くしました。以来、寂しくて切ない毎日です。心ある女性の方、連絡下さい。当方、誠実です。(「誠実だ」という奴が「肉筆マガジン」を読んでいるという自己矛盾)
  • 淫乱女装子のまなみは男女を問わず、性欲処理のマゾペットとしてご奉仕いたします。(出た、女装趣味の人。竹内氏の20年前サンプルにも女装の方がいたっけな)
  • 女性に僕のおしっこをしているところをみられたくてたまりません... (逆は分かるんだが、こういうM男もいるんだなぁ)