(余談) 豊年祭に行く

豊年祭

4月を思わせるような春の陽気に恵まれた昨日、竹内氏プロデュース「オタクの殿堂」、ではなく、日本三大(?)奇祭の一つである豊年祭(ほうねんさい)を訪れる。ここ数年来の念願がやっとかなった格好。ただしそのせいもあってか、サイキック青年団前回放送分の記録メモ等を書き記す時間を確保できなかったので、今週はスキップさせて頂く。その代わりと言ってはなんだが、ご参考までにちょっとしたトラベル情報(旅行記というほどのものではない)を書き留めておこうと思う。

「豊年祭」背景情報

毎年3月15日に、愛知県小牧市田縣神社主催で五穀豊穣等を願って行われる日本の珍奇な祭の一つ。そのあまりにもリアルな男根像ゆえ、もはや世界的に有名な奇祭/珍祭の代表例と言える存在であり、ネット上で情報は溢れている。Wikipedia「田縣神社」のページに手短な紹介が掲載されているので参照されたい。
旅行記についても、色々な方が写真満載でホームページ等に掲載されているが、例えばこれなどが面白い。海外メディアのレポートではこれなど。なお私はカメラ・テクがお粗末なので、当ページの1枚を除いて恥晒しは止めておく。せっかくの機会なので、自分が撮影した写真を何枚かflickrに晒しておく。よろしかったらご覧下せえ。
このような土着日本の大らかな性文化を背負ったこれだけエロ度の高い祭をサイキック青年団が見逃すはずはなかろうと思うかもしれませんが、私の知る限りでは番組で話題に上ったことは恐らくまだない。

アクセス

東京あるいは大阪方面から訪れる場合は、東海道新幹線を利用するのがベストであろう。名古屋からは名鉄に乗り換え、岐阜方面急行または準急にて犬山まで行き(わざわざ特急に乗る必要はない)、犬山からは支線の「平安通」行きに乗り換えて3駅目の「田県神社前」駅で下車。名鉄名古屋からは45分程度で行ける。電車の本数は比較的多く、連絡も悪くない。

祭行列の進行

男根神輿行列は、田縣神社の北西に位置する神明社を午後2時頃に出発し、練り歩いては担ぎ手の交替と小休止を繰り返しつつ約1時間半の時間をかけて田縣神社本殿に到着する。男根本体が相当な重量であるらしく、小休止を挟まないことには体力的にキツい様子。
神輿は、整然と真っ直ぐに進行するのではなく、ランダム・ウォークというような感じで左右にわざと蛇行してみたり、途中で何回も回転させたりと少々荒っぽい動きを伴う。それがまたひときわユーモラスで笑いを誘ったりもする。前方には御歳神(と思う?)を模ったマネキン(最初見た際ダッチワイフかと思ってギョッとした(苦笑))を納めた神輿が先を行き、後ろからは直立した(笑)小ぶりな男根像を載せた別の神輿をご老人達が担いでトボトボと付いて行く。
本殿到着後、本殿内で神輿の担ぎ手達を中心に神事を執り行い、クライマックスは午後4時ごろから開始される餅投げで終了となる。餅が硬くて重いため、この餅投げ行事は危険を伴うらしく、宮司さんが「怪我をされても一切責任を負いません」と拡声器で何度も念押ししていたほどである。が、いかにも日本的というべきか意外に整然とした感じで、スペインの牛追い祭のような怖さはありません(笑)。

個人的に気付いた点など

  • 上述の通り、行列行進は午後2時開始であるから、朝から喜び勇んで馳せ参じる必要はない。
  • 神社の前を貫く大通り(県道27号線)沿いには数件の飲食店が軒を連ねている。神社の向かいにはファミレスあり。万一早めに来てしまっても、一応食事等の時間は潰せる。
  • どういうわけか、木彫り男根を抱えた巫女さんの行列には遭遇せず。私の見落としか、はたまた今年から取り止めになったのかは不明。
  • 神輿行列では日本酒または水を振舞ってくれる。
  • 噂には聞いていたが、外人客は多い。アメリカは言うに及ばず、ドイツやオーストリア、オーストラリア、フィリピンなどからの見物人が確認できた。とりわけ目立っていたのはアメリカ人高校生のガキども。時々日本語も交えてしゃべっていたので、おそらく日本駐在の米軍関係家族ではないかと思うが。振舞われた酒をあおっては「日本、サイコー!! 酒、サイコー!!」などと雄叫びを上げておった。
  • 一方、日本人客は高齢者が圧倒的に多い印象。不思議とオヤジ連中が目立つ。私のような30代はあまり見かけなかったな。若い女性も少ないね(外人客では若い女性も多い)。まぁ平日日中に仕事放ったらかして男根を拝みに来るような奇特な行為は、私のような自由業でもない限り無理だわな(苦笑)。
  • 行列行進そのものはあっけなく終わってしまう。規模が小さい上に、祇園祭ねぶた祭のような派手さは皆無なので、「なんだ、こんなものか」という物足りなさを覚える人も多いのではないか(私もその一人)。
  • 神輿行列の出発点である神明社へ駅から向かう道すがら、および神社境内でエロ木彫り/焼き物販売露天商が毎年商売しているようだが、これは神社とは無関係の単なる便乗商法。まぁ買ってる奴(中国人だったな)もおったけど(笑)。
  • 神輿の男根に触るとご利益があるとかないとか...。外人の女の子で周囲に煽られてキスしていた奴もいた。因みに男根タッチは外人の独壇場である(苦笑)。良縁や子宝祈願にはいいかも。少子化対策の特効薬、なわけない(笑)。

類似する他の祭

日本国内を探して見れば、実は男根崇拝のお祭は豊年祭のほかにもいくつかある。私が把握しているだけでも、例えば、などがある。後日機会があったらレポートしてみたいと思う。ということで、来月には「かなまら祭」でピンクの男根を拝みに行って来ようか(苦笑)。

奇祭参考文献

男根崇拝に限らず、祭り好き日本には奇妙奇天烈な祭が実に多い。日本人の精神構造の奥底に潜む、土着信仰と農村文化が融合して形成されたシャーマニズムを今に伝える貴重な無形文化財とも言え、結構奥が深かったりする。
また、豊年祭もそうだが、もともとこの日本では性に対して非常に大らかであったことをうかがわせるような祭も少なくない。もっとも、祭そのものが無礼講(乱交?)を許すハレの場であったする説も聞いたことがある(サイキックでもそのような言及は時々あった)。
いやぁ、日本に生まれた良かった(笑)。その日本をディープに知るための一冊として「日本の奇祭」を紹介しておこう。ご参考まで。