(余談) 普遍的価値を持つ「決断力」

前回の放送で将棋の話題が出たついでに、最近読んだ羽生善治著「決断力」をサイキッカーに激しく推奨しておこうと思う。将棋に関するテクニカルな記述はほとんどないので、将棋の知識が無い人でも安心して読める。新書版サイズで気軽に読破できる反面、内容はかなり奥深く、読んでる最中もいちいち唸りっ放しであった。最近読んだ和書の中では1、2位を争う良書。何度でも読み返す価値のある本だ。内容詳細については、amazonのユーザレビューとこのレビューに譲る。ご参考まで。
これは実は将棋の本などではなく、また単なる将棋本として読んでしまうと有り難味が半減する。本書は、およそすべての勝負事、つまりビジネスやスポーツ、ギャンブル、金融取引(トレーディング)などに共通する普遍的な意思決定論であり、そういう読み方ができるからこそ価値があると言える。例えば、目先の結果ではなく将来にわたって実りをもたらす意思決定とはどうあるべきか、何事においてもプロであるとはどういう姿勢を要求されるのか等々、将棋の枠を超越した優れた指南書に仕上がっている。
サイキック青年団で誠氏がよく話題に出す株取引に関しても、萌え株本(笑)とかあまたあるデイトレ本など下らない本を読み漁るより、本書を読んだほうがよっぽどよい考え方や実行力が身に付くと思われる。そういうヒントが満載の本である。
UPDATE (7/31): 5年前に同じ角川oneテーマ21より出版された谷川浩司著「集中力」の一部盗作ではないかとの疑惑記事が週刊新潮の先週号に掲載されていた。なんだよー、ガックリ。編集者もどうかと思うが、口述筆記も混じっているならば「こんなこと言ってないよ」等々羽生氏も中身くらいチェックしとけよ、まったくよぉ。