(余談) 「汚れた舌」総括

松本美香のご推奨で見始めたTBS系ドラマ「汚れた舌」が昨晩大団円を迎えて終了。忌々しい野球延長のせいで結末を見逃した録画組も多かったのではないかと思う(笑)。
個人的には久しぶりにそこそこ楽しめた(突っ込めた)ドラマであったと思うのだが、視聴率は概ね10%未満の低空飛行で振るわず。放映時間帯およびドロドロ愛憎劇というあまり万人受けしないテーマを考慮したとしても、やはり主演の飯島直子がややミスキャスト気味であったことが一因かと思う。彼女は役者としてどうにも薄っぺらい印象を拭えず、女の色気とか情念みたいなものがまったく伝わってこないことが問題。だから、飯島が2人の男どもを振り回すシチュエーションに感情移入できなかったし、逆に「なんでこんな女に惚れんねん」と白けてしまう。サイキック的に言えばチンピク度が足りんのよ(苦笑)。私にとってこの違和感は最後まで解消されなかった、けど他に誰を当てればよかったのか容易に思いつかないのも事実。やっぱり飯島でよかったのかねぇ(苦笑)。以下、その他の雑感メモ:

  • 裏の主役は文句無く森口瑤子(これは衆目の一致するところと思う)。存在感という意味では、新境地開拓で圧勝、貫禄勝ち。でも色が付かないように差し当たりは早く別の役柄にチャレンジしないと、意に反して性悪女役が定着してしまう恐れ。それでも将来的には舞台演劇でSMの女王様役などがピッタリということを皆に認識させてくれた(笑)。
  • 加藤浩次は良い味出していた。今回はハマリ役だったのではないか。顔の表情の出し方は上手くなっている。ステップアップに繋がり、今後の役者としてのキャリア面では彼が一番得したはず。もっとも、喧嘩腰になった際の台詞が聞き取り難いなどの未熟な一面も覗く。修練して今後に期待。
  • で、ストーリーだが、結局最後に森口が「いい人」みたいになってしまって全員ハッピーエンドというのは「なんやそれ」という感じで拍子抜け。壊すなら、最後まで壊しに行かないと不完全燃焼だ。
  • 最後の崖っぷち状況、プッツンした森口が契約上のトリックで大口顧客を抱えて退職するということを武器に花屋を倒産の瀬戸際に追い込むという話はあまり現実味がなくて「なんだかなぁ(©阿藤快)」。それを社長である加藤が黙って従うという筋書きもますます変で「こんなんありかよ」と一気に萎える。こんなことしたら、怪訝に思った顧客側から当然問い合わせが入るだろうし、下手すりゃ社長含めて他の役員から商法の背任行為で訴えられる。以上、最大の突っ込み所でした(笑)。
  • 「他人に頼らず自分の軸を持って生きて行こう」というのが最後のメッセージであった。それは別にいい。だが、蓋を開けてみれば少子化援護ドラマであったわけで(苦笑)。