女闘牛士のエロチシズム

宮崎アニメを巡って「ナウシカもののけ」好き(哲学派)か、「ラピュタ・トトロ」好き(勧善懲悪派)かで分かれてのdebateは興味深かったけれど、なにぶんアニメ、特に宮崎アニメにほとんど興味のない我輩としては「ふーむ、そんな見方もあるのか」程度で聴き流す。因みに、「千と千尋」は両派のcrossoverだったために両サイドのファンを取り込んでバカ受けしたのだろうとの推論には感心。果たして「ハウル」はどっちなのか。
アニメ話の締めくくり、誠氏がちらっと「我が家の方針でディズニーは子供に見せません」てな発言。「ネズミに支配されたない」って、これ賢明かも。ネズミに嵌ったら、子供だけじゃなくて家族ぐるみで金搾り取られること必至。無間地獄ディズニーランドが大口開けて待ってるよー。
今週のマンガ「世界一さお師な男 伊達千蔵」(最近Vol.7で完結)、こいつは面白そうだ。我輩の中では「カイジ」以来の久々ヒットになりそう。ただし、妻や恋人に見つかったらちょっとハズカスィな、これは(苦笑)。
図書館のビデオコーナーで「女闘牛士のビデオを探してくれ!」と問い詰める男の謎。いや、これねぇ、それほど変わった、あるいはnicheなエロじゃないかもしれませんよ。ちょっとマゾ入ってるかもしれませんが。というのも...。
日本語サイトだけ対象に「女闘牛士」でネット検索しても、確かに出てくるのは板井氏が言及されていた映画Talk To Her関連がほとんどですが、英語で"female bullfighter"をググると、Susanna Edwards監督のドキュメンタリーSunshadowが出てきます。これはSpainでも有名な女性闘牛士、Cristina Sanchez(当時22歳)の密着取材映画らしく、ひょっとしたら冒頭の男、これ探しとったんとちゃうかー?? それでこの映画を大学の講義教材に扱ったカナダToronto大学文芸学部の批評文中に以下のような記載があって納得(下線は我輩による):

... In fact, watching her in the ring would seem to be more of an erotic experience than anything else. The form-fitting clothing, the constant grunts and calls she makes at the bull, and especially her stance in the ring point out that this is not a gruesome spectacle, but perhaps something much more sensual. The film even includes a mock-fight between Sanchez and the camera ― it is a well-shot sequence, but has a certain air of sexuality about it that would befit it perfectly for a perfume advertisement.
よかったね、海の向こうにも分かり合える人がいて...(笑)。
最後にスポーツ話。落合監督のオレ流、江川卓の「手抜き」あるいは野茂と鈴木監督との対立に関するエピソードは、本当の勝負士とはどうあるべきかを考えるヒントになっている。要は緩急、メリハリが重要ってこと。チャンスじゃないとき、重要な勝負場面でないとき、ここぞというとき以外には手を抜いてもいい(あるいは抜くべき)ってこと。ちょっと古い世代は往々にして日本的精神論を振りかざし、どうでもいいような時にまで全力投球を要求するが、これでは長い目で見て生き残れない。このあたりは実はギャンブル心得と一緒。投資の世界でも「休むも相場」って格言があることを思い出す。