小説家、竹内義和 (BGM by Nescafé)

霊感

雑誌「幽」の取材にて。誠氏、中山市朗氏とフロントページの益田君を伴い、2年ほど前にテレビでも放映された、益田君撮影の例の鮮明な幽霊ビデオ(肩越しにこちらを睨みつけるような目つきのヤバい映像)を現場検証する。誠氏がカメラを持って潜入した途端に非通知で携帯電話が振動、リアル「着信アリ」状態となるなど怪現象もいくつか。
個人的にこの現場検証取材よりも大変興味深かったのは、益田君がバイク事故による脳挫傷以来霊感を覚えるようになったという逸話。ふと妄想してみるに、霊感というのはひょっとして脳の知覚異常(?)の一種なのかなと。普通の人には認識できない現象を知覚できるという意味では、例えば共感覚(音に色を認識してしまう等)に近いと想像してしまうのだが、一方でポルターガイストのような物理現象は説明つかんわな。仮に知覚異常があったとして、一体何を知覚しているのか(もしfMRIとか使って調べられたら面白いぞ)。その知覚症状は霊感保有者に共通するのかしないのか(偽霊能者の発見に役立つかも)。
誠氏も益田君も、千日前に行くと吐き気を催すとかいうのは、二人共通して「何か」を知覚しているのか。ところが誠氏は千日前デパート火災の大惨事をもちろん知っているが、益田君は知らなかったそうである。つまり誠氏には先入観があった。ならば千日前における二人の霊感には、同じ霊感といっても何らかの差異が存在する可能性。茂木さんか養老さん、調べて下さい(笑)。まさか霊感=バカの壁ということには...(苦笑)。
UPDATE (10/19): たまたま昨日付ニューヨーク・タイムズ紙にMRI等の脳スキャン技術に関する記事が出ていた。画像結果を的確に読み解くための臨床データやノウハウがまだまだ手薄であると。素人が考えるほど簡単ではないらしい。

一人の天才で十分

久方ぶりに板井サン出演、近況報告。特番対応の編成と制作の中間のような仕事をされているとのこと。曰く、エリート編成部の横にくっ付いている存在。朝日放送の組織図を拝見したが、恐らく編成局企画開発部あたりであろうか。
「自分の企画は今まで通ったことはないが、自分のことを棚に上げて言わせてもらえば、通らない企画は地方局も東京キー局も同じしょーもなさ」。日テレ「エンタの神様」プロデューサーの五味一男氏に会う機会があって圧倒されっ放しであったとのこと(「『視聴率男』の発想術」という本を今夏出版されている)。「企画なんてものは一人の天才に依存しているのよ」。この辺の事情は、例えばITの世界で言うとプログラマーの評価と酷似していて興味深い。凡庸な100人よりも一人の天才がいるかいないかでソフトウエアの品質とか革新性、あるいは生産性が劇的に違ってくるというのは半ば常識になっているから。

ミッキーの寿命

社会人ソフトボール・チームの応援Tシャツにミッキーを無断使用するも表沙汰になる前に慌てて撤回というリスナーからの小話。
ミッキーと知的財産権と言えば、思い出さずにはいられないのが98年に制定されたアメリカのCopyright Term Extension Actである。本来ならば2003年に著作権が切れてpublic domainに入るところを20年延長してもらったため、次の期限は2023年となる。あと18年の辛抱だ。でもどうせまた再延長でゴネるんだろうが(苦笑)。

原作とドラマの必然的乖離

日テレ「野ブタ。をプロデュース」を巡って。堀北真希が可愛いらしいから、「結局最後は綺麗になってハッピーエンド」と先が読めてしまうところが興醒めであると。所詮「女王の教室」が限界で(これも最後は「ええ話」で終わっている)、徹頭徹尾ブラックなドラマは、深夜帯でもない限りお茶の間テレビでは難しい。誠氏によれば原作はハッピーエンドではないらしい。「面白かったです」と言っておったが、私は読んでない、というか最近流行のこの種の若手文芸本は全く読む気がしないんですわ。話題性追求のマーケティングありきが見え見えで、少なくとも定価で買って読む価値はなかろう。この批評を読んだら一層読む気が失せた。
小説と来て竹内氏、図らずも発破を掛けられる(苦笑)。「竹内さんはいつ小説書きはりますの。ぼちぼち当てて下さいよ、みんな心配してますで」。「マイレージ・オナニー」を書いている程度では先は長いねぇ(笑)。