(余談) アダムタッチを考える(笑)

アダム徳永の本、手頃な値段なので、騙されたと思って買ってみた(笑)。例の「オーガズムマッサージ」という性感マッサージの教本である。丸善・東京丸の内本店の「女性のカラダと健康」コーナーにて人目を忍んで買う。まったく変なオジサン丸出しだ(苦笑)。
徳永氏の素性はなんとも怪しげであんまり信用できなさそうな気配を未だに拭えないのであるが、写真と図解満載のこの本自体は、意外にも非常に真面目で実践的かつ懇切丁寧な作りになっていることに少々驚く。amazonのユーザ評も高い。以下、個人的に気に留まった点を中心に、内容をかいつまんで紹介しておこうと思う。ご参考まで。

テクニック偏重ではなく精神面も重視

あとがきに「こころを閉ざしたままの状態では、女性の性感脳は閉ざされたままで、彼女は快感を感じることはできません」(p.216)と書かれているように、徒にテクニックに走ることなく、女性を心理的にリラックスさせることが大前提であることを何箇所かで強調している。こういう哲学は好感が持てる。
これはまぁ当然と言えばそれまでだが、特にAVの誤った刷り込みに毒されている男性諸氏にとっては耳が痛いかもしれない。徳永氏も忠告するように、男はともすると、自分本位で物理的に強い刺激とテクニックに入れ込みがちな傾向があるだろうから。少なくとも挿入一辺倒の考えは完全に捨て去る必要がある。

全部は無理だわ

マッサージを本業にする人(施術者)ならばともかく、一般人がセックスの一環として、本書記載の通りに細大漏らさずマッサージすることはあまり現実的ではないと思う。そういう意味では、この本は性感帯(及びその平均的な悦ばせ方)の図鑑といった参考程度に頭の隅に置いておけばよいかと。
というのも、あまり教条的にシャカリキになって全身アダムタッチ(後述)に拘泥すると、かえって興醒めになるリスクがあるから。やってる方もやられている方も、ドッと疲れが出るだけの笑えないプレイか、逆に大爆笑になるやもしれず(苦笑)。もっと本質的な問題は、性感帯と言っても当然ながら個人差があるということ。

オイリング

第1章は30ページ近くをオイルのなめし方に費やしている力の入れよう。だが、ベッド上のセックスでオイリングというのは、かなり難しいというか面倒くさいし間延びしてしまうので、実際には必要ないと思う。ペッティングが出来ないという難点もある。
どうしてもやるとすれば、後始末を考えると、例えば風呂場でマット敷いて使うというのがベターかもしれない。もっともこうなると、ほとんどマットプレイの風俗みたいで(苦笑)、これまた相手の好き嫌いが気になるところだ。

アダムタッチ

敢えて一言で片付けると、触れているか触れていないか分からない程度のソフトな指のタッチを「アダムタッチ」と称している。これが果たして徳永氏発案の指の構えなのかどうかは知らない。要は、一般に女性はデリケートなので、揉んだり摩ったりするに際して、強く力を入れ過ぎるな、ということ。ま、そりゃそうだ。
やってみると分かると思うが、こういうソフトな感触でのマッサージは、くすぐりと紙一重で力加減を維持するのが難しいため、やる方がかなり神経を使って意外に疲れます。なので、ペッティングと上手く使い分けてやった方が実際的かと思う。例えば、乳房周辺と陰部(特にクリトリス)はアダムタッチで、その他の部位はペッティングを使うとか。むろん、好みの問題があるので、相手と相談しつつ自分達なりのスタイルを探ればよいわけで、「何がなんでもアダムやぁ〜」と力むとかえって逆効果になりかねない。以上、経験者は語る(笑)。

G/Tスポット

圧巻は膣に指を挿入しての「マッサージ」である。因みに、徳永氏言うところのTスポットとは、Gスポットと直角の位置関係にある(より子宮口側、ということは普通に挿入してオチンチンが当たる所と大差ないんじゃないかと...)。詳しくはp.195を参照。これらスポットを指で軽くトントンと振動させると「絶叫して快感に身悶えします」(p.191)。ただし、AVでよく見られるような掻き毟り行為は言語道断。
アナルもそうだが、膣の指挿入は好みが分かれる所だろう。私の相手もあまり乗り気でなかったので試していない(苦笑)。なんだかかなりAVチックになってしまい、相手によってははっきり嫌悪感を催す人もいるだろうから、よく相談してからなさった方がよろしいかと。やるなら局部を傷つけないためにも指にコンドームを被せてやるとか(これはかなり情けないんだよな...)、一番無難なのはやはり道具(例えばこれ)を使うことだろうと思う。

女性の側もエチケットを

本書には特に書かれてはいないが改めて私が思うこと。陰部のアダムタッチあるいはクンニリングスをして欲しい方は、陰毛のお手入れを是非お忘れなく(笑)。ケツの穴にまでビッシリと毛が生えている状態ほど萎えるものはありません(苦笑)。これは案外無頓着な女性が多いような気がする。